最新の過払い金返還請求
何かと話題になる過払い金返還請求ですが、平成18年の最高裁判決以降から現在に至るまで、なお高止まり維持の様相です。
私は個人的な意見として、過払い金返還請求はおかしいと思っています。
たしかに利息制限法という法律はずっと以前から存在し、10万円以上100万円未満の場合は年18%を上限とし、それを超えて支払った分は無効であるとハッキリ書いてあります。
しかし消費者金融は出資法上限利率を基準に営業を続けていました。
この矛盾する2つの法律が混乱を招いた要因ですが、平成18年の最高裁判決以前は、貸金業者側の主張がほぼ認められる形となっていました。
その為、利息制限法を超えていても、出資法以内であれば合法というのが当たり前のようになっていたのです。
まさか、後に利息制限法を超えた分を返さなければならなくなるとは、どの貸金業者も思ってもみなかったことでしょう。
過去の納税分は返還されないのか?
今話題となっているのが、消費者金融が過去に納めた税金は戻らないのか?という問題です。
既に返還を求める裁判が行われており、注目を集めています。
過払い金返還請求は、過去に遡って請求ができます。
完済している場合でも10年以内であれば請求可能です。
貸し金業者は、当時は利益として信じて疑わなかったから税金を納めたわけで、現在、その利益と思っていた収益が実は利益でないと否定されたわけですから、納めた税金も当然返還されるべきものです。
しかし、誰もが返還されるべきと思う税金の過払い問題は、一向に話が進まないのは理解に苦しむところです。
慰謝料はほぼ棄却
過払い金返還請求に火がついた当初は、単に過払い分だけでなく、精神的苦痛を被ったとして、慰謝料まで請求するのが慣例となっていました。
訴えを起こされた消費者金融は、裁判所に出向いて反論をしなければ、この慰謝料まで認められてしまうという状況が長く続いたのです。
返還請求は一日に何十件とあり、貸金業者はそれら全ての裁判に出廷する事は不可能であり、まさに過払い成金弁護士・司法書士のやりたい放題だったのです。
サバンナで傷ついた1頭の子鹿に、何頭ものライオンが群がる図式さながらの状態といって良いでしょう。
しかし、最近の裁判では、慰謝料はほぼ棄却されるという方向で判決が下されております。
当時の貸金業全体の構図を鑑みると、利息制限法を超える利息を受け取っていた事は、必ずしも悪意の受益者とはいえないという裁判所の判断です。
これは当然の結果だと思っています。
みなし弁済のまか不思議
平成18年の最高裁判決までは、利息制限法を超える利息であっても、合意の上であれば有効な弁済であるという「みなし弁済」がありました。
利息制限法での営業せは採算があわず、利用者には貸金業法に基づく商品である事を十分に説明した上で、利用者も納得したからこそ契約に至ったのです。
しかし、平成18年の最高裁判決は、みなし弁済を事実上認めないという一方的な判決を下しました。
今迄合法だった法律を無視し、勝手に法律を変えてしまったのです。
この判決は、三権分立を無視した違法行為と評する有識者もいます。
そもそも法律を作るという行為は、国会議員のみに与えられた権利であり、裁判官には権利がありません。
あくまでも現行法に基づき、判断をしなければならいはずなのに、このような法律を捻じ曲げるという暴挙は、過去に前例を見ません。
現在、その判決を下した裁判官は、のうのうと何事もなかったかのように生活しています。
武富士をはじめ、多数の貸し金業者を倒産に追い込んだことは全く気に掛けることなく、夜はぐっすりとベッドで寝ていることでしょう。
現在、自民党の議員から、貸金業法の見直しを求める声があがっています。
総量規制は、施行前から見直しをする前提で施行された前例のない法律となっています。
誰がどう見てもおかしいこの法律、なぜ未だに改正されないのかが不思議でなりません。